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Xin chào(シンチャオ:こんにちは)!
 2023年4月よりホーチミンへ赴任しましたNihon M&A Center Vietnamの黒沢です。ベトナムへ赴任して3カ月が経過した今、感じている日本とベトナムの違いと魅力についてお話ししたいと思います。

ベトナム生活編

優しく明るくフレンドリーな人々

 ベトナムに来て最初に感じたことは、多くのベトナム人は優しく明るくフレンドリーであるということです。
 私には4歳の息子と2歳の娘がいます。外出先で子供の機嫌が悪くなり、周りの方に迷惑をかけてしまう場面もよくあります。日本ですと嫌な顔をされて肩身の狭い想いをすることがありましたが、ベトナムでは多くの場合、子供が泣くと周りにいる方が、私たち家族と一緒に子供をあやしてくれるので肩身の狭い想いをすることはありません。また、重い荷物を持っている時はどこからともなく近寄ってきて、荷物を運ぶのを手伝ってくれることもあり驚いています。
 子供の泣き声以上に町の中はバイクのエンジン音、車のクラクションや大人の笑い話の声などが溢れており、とても賑やかです。夜になれば、どこからともなくカラオケが始まった音が聞こえてくるなど、昼夜問わず賑やかでおおらかな国という印象です。
 その分、のびのびと子育てが出来ていると感じられ、人々との触れ合いを通して、家族で心温まる日々を過ごしています。

手先が器用

 よく「ベトナム人は手先が器用」と言われているのですが、日々の生活の中でその器用さを感じる場面は多くあります。身近なところでは、当社のオフィスでは時々、フルーツを持ってきてみんなで食べるのですが、冷やしておいたフルーツを男性も女性も関係なくベトナムの方はとても器用に美しく切ってくれます。また、家の不具合の修理などにおいても日本であれば新しいパーツに取り換えてしまうところを現在のパーツを分解し修理をして使えるように直してしまう器用な工事にも驚きました。
 “もの”があふれている現代日本と比べると、長きにわたる不安定な社会情勢のなかで“もの”が十分に足りていないという状況を最近まで経験してきたベトナムの方は、何事にも工夫をする知恵を持っているようです。その思考が手先の器用さにつながっているのでしょう。20年、30年物のバイクを大切に修理して使うなど、ものを大切にする姿勢に尊敬を感じます。

ホーチミンのオフィスでのリラックスした一コマ

季節のフルーツと過ごしやすい気候

 日本M&Aセンターベトナム現地法人のオフィスはホーチミン市内にあります。ホーチミンは雨季と乾季はあるものの、一年中温暖で毎日が夏です。最初は暑さに慣れるのに苦労しましたが、1ヶ月経った頃には身体が環境に慣れました。日中と夜の気温の変化はもちろんありますが、季節による気温の変化が少ないため、とても快適に過ごすことが出来ています。また、マンゴー、ジャックフルーツ、ドラゴンフルーツ、マンゴスチン、パッションフルーツ、ライチなど美味しいフルーツが沢山あります。ちょうど6月はライチのシーズンなのですが、日本で1キロ数千円する生ライチをベトナムでは数百円で買うことが出来るので自然の恵みを身近に感じながら生活しています。
 また、温暖な気候でよく汗をかくようになりましたし、フルーツを食べる機会が日本に住んでいた時より増えたと感じています。ランチで食べるフォーなどには、パクチーをはじめとする香草を山盛りにのせて食べるなど野菜を食べる機会も増えました。健康的な生活を送ることが出来ているので次回の健康診断が楽しみです。

ナショナルスタッフとの食事の様子

ベトナム企業編

企業の歴史

 第二次世界大戦が1945年に終わり、日本をはじめ、経済発展を果たした国が多くありました。一方、ベトナムは1900年代後半まで戦争が続いたため、歴史の長い企業は少なく、直近10年、20年で急成長した企業が多くあります。先日、訪問した企業は2010年に設立し、たった10年強の歴史の中でクリーンルームを備えた立派な工場を建設し力強く成長を果たしていました。私がここでお伝えしたいことは、ベトナムは国としての経済発展のスタートが遅れたことから、世界との差を縮めるために急角度で成長しているということです。
 日本では終戦から10年経った1955年から1973年の期間が高度経済成長と言われています。日々、お会いする企業の毎年の力強い成長から、ベトナムもまさに高度経済成長を迎えているように感じます。

経営者及び従業員の年齢

 私はベトナムへ転勤する前は日本でM&A業務をしていました。特に会社を譲渡される側の企業経営者とお会いする機会が多かったのですが、多くの方のご年齢は60歳を過ぎており、場合によっては80歳を超えている方もいらっしゃいました。一方、ベトナムでお会いする経営者の年齢は60歳より下の年齢の方が多く、日々お会いする経営者の多くは40代、50代の方です。また、工場見学をした際の従業員の方の若さにも驚かされます。日本で金属加工業の工場に行くと、この道何十年という熟練の方が加工をされている姿をよく見かけましたが、ベトナムでは20代、30代の年齢の方が作業をされている姿をよく見かけます。
 国連の「World Population Prospects 2022」によると、日本人の年齢中央値は48.4歳なのに対し、ベトナム人の年齢中央値は32.0歳です。また、人口も増加しており現在の人口は1億人程度と言われています。ベトナムは平均年齢、人口という面から見ても大きなポテンシャルを持つ国と言うことが出来ます。

ベトナムM&A編

譲渡理由

 会社を譲渡する経営者というとどの様な方を思い浮かべるでしょうか?
 多くの方は「後継者不在の引退時期を迎えた経営者」だと思います。ベトナムでも事業承継型M&Aも存在します。しかし、多くの場合は「まだまだ会社を拡大したいと意気込む経営者」から、成長戦略型M&Aのご相談をいただくことが多いです。日本の大手企業を含む、グローバルに活躍する世界企業を戦略的パートナーとして迎え入れることで、ベトナムから世界で戦える企業になることを志している経営者が多数います。
 その背景には成長著しい経済環境の中で常に高い成長を求められていることと、島国の日本とは異なり日本以上に近隣諸国との競争が激しいことが挙げられると思います。

スキーム

 譲渡理由でもお伝えした通り、ベトナムでは事業意欲の高い経営者が戦略的パートナーを求める傾向にあるため、日本の中堅中小企業で多く行われている100%株式譲渡ではなく、一部の株式を譲渡するというケースが多いです。また、発行済み株式を譲渡するのではなく、新たに株式を発行してその株式を戦略的パートナーに売却するケースもあります。この場合、株主ではなく、会社に資金が入ります。
 一般的に経営資源というと「ヒト・モノ・カネ・情報(技術・ノウハウ・ブランド・ネットワーク等)」と言われます。ベトナムにおいては特に「カネと情報」の補完を求める経営者が多いように感じます。その背景の1つには、ベトナムの高金利があります。企業の借入に係る金利は10%を超えていることもあるため、金利が経営の足かせとなることも少なくなく、戦略的パートナーからの増資により間接金融から直接金融へ切り替えを行うのです。

バリュエーション

 業種によって異なりますが、日本の中小企業M&Aにおけるバリューチェーンでは、EBITDA倍率5~7倍くらいが一般的です。一方でベトナムではEBITDA倍率10倍前後が一般的とされています。EBITDAを算定する際は将来の予測値、直近期の値、過去の平均値を使うかと思いますが、予測値については蓋然性が低く、私たちの実務においては直近の値や過去の平均値を使うことが多いです。ベトナムの場合、国全体の経済成長に伴って各企業の売上・利益が成長するため過去の数字に基づくと必然的に成長率の低い日本より高いEBITDA倍率になります。
 日本の上場企業にとっては沢山ののれんを付けて高いEBITDA倍率で買収を行うことは将来の減損リスクを高めることにつながりますので、ベトナム企業にも日本企業と同じEBTDA倍率を当てはめて検討する企業が存在します。
 しかし、経済の基礎的条件が異なる地域を同じ基準で判断し、せっかくのチャンスを失うことはもったいないと個人的には感じています。

ベトナム現地法人ナショナルスタッフのインタビュー

 ここで、日本M&Aセンター ベトナム現地法人社員へのインタビュー動画をご紹介したいと思います。ベトナムM&Aの雰囲気を感じ取っていただける内容になっているかと思います。(1:25頃まで)


ベトナム企業と日本企業、両方の発展を願って

 私の現在のミッションはM&Aを通して日本企業とベトナム企業の懸け橋となり両国の経済発展に貢献することです。昭和の後半には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、世界で高く評価されていた日本を私は誇りに感じながら幼少期を過ごしていました。しかし、現在の日本は少子高齢化、生産年齢人口の減少期を迎えており、日本国内で活動する日本企業にとっては生産と消費の面において難しい時期を迎えています。この現状を打破することに貢献したいと思い、親日であり、生活環境や経済の基礎的条件において高いポテンシャルを持つベトナムでの仕事を選びました。
 長い歴史、技術を持つ日本企業からの投資はベトナム企業の成長にもつながります。日本とベトナムの発展に貢献すべく両国のご縁を1つでも多くおつなぎできるよう努めていきたいと思っています。

日本M&Aセンターの海外M&A支援

 日本M&Aセンターでは、中立な立場で、譲渡企業と譲受企業双方のメリットを考慮にいれたM&Aの仲介を行っております。また、日本企業による海外企業の買収(In-Out)、海外企業による日本企業の買収(Out-In)、海外企業同士の買収(Out-Out)も数多く手掛けてまいりました。
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