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今回のブログでは、20年ぶりの円安・ドル高水準を付けた外国為替市場に対する日本の経済戦略としての海外M&Aについてお話いたします。

20年ぶりの円安水準

コロナ禍から様々な経済指標が回復するアメリカ経済やロシアがウクライナ侵攻を進め、原油価格をはじめ様々な先物価格が上昇したことにより、円安が進み2021年には103円/ドルだった水準から、一時130円/ドルを超える水準となりました。130円/ドルを超えるのは実に20年ぶりとなりますが、これは対ドルだけではなく、様々な通貨で円安となっており、我々が事業展開しているASEAN諸国でも同様です。個人的にはこの円安の水準は暫く続くのではないかと考えています。1つ目の理由として、地政学リスクが暫く落ち着くことは考えにくいからです。ウクライナ情勢がすぐに鎮静化する可能性が低いことと、鎮静化したとしてもすぐにロシアと欧米諸国の関係が改善することはないでしょう。2つ目の理由は、海外諸国との金利差です。為替変動の大きな要因の一つは金利差ですが、欧米諸国を中心にインフレを抑えるために政策金利を引き上げているのに対し、日本銀行はゼロ金利政策を維持する考えを表明しています。この2点からすぐに現状の円安傾向が反転することは考えにくく、更なる円安もあり得るのではないかと思っています。
 

世界における日本の地位低下

今回、20年ぶりの円安水準になっていると申し上げましたが、当時と比べて厳しいのは日本の平均年収が残念ながら下がっているということです。経済協力開発機構(OECD)のデータによると、2020年の日本の平均年収は約440万円と言われていますが、2000年は464万円だったそうです。ドル建てでみた場合、世界における日本の給与水準は2000年にはOECD加盟国の中では3番目に高かったようですが、現在ではその地位はかなり低下してしまっています。日本は少子高齢化が加速度的に進んでいますので、外国人人材を活用しなければなりませんが、海外から日本を見たときに給与面での魅力は著しく低下してしまいます。
 

今後に対する戦略は

クロスボーダーM&Aの観点で考えた際、円安により海外企業の買収については割高に感じてしまうこともあるかと思います。しかしながら、譲渡企業の収益力から考えた場合、譲渡企業の収益に伴う投資回収という目線でいくと正確には変わらないと言った方がいいかもしれません。今後の日本経済を考える場合、私個人の意見としてはやはり日本だけでビジネスを完結させるのは危険だと感じています。事業ポートフォリオを拡大させ、外貨を稼ぐという意味では、早く着手なければ一段の円安水準となった時点では遅きに失してしまう可能性もあると思っています。我々は中小企業にも海外M&Aを提案しておりますので、是非、お問い合わせをお待ちしております!

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