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多くの方が旅行で訪れたことがあるであろうタイ王国。欧米列強が東南アジアに攻め込んでいた時代、独立を守り抜いた唯一の国でもある。そのような歴史のあるタイでのM&Aはどうなのか?数字には表れていないM&A現場をお伝えします。

2021年11月、タイ王国駐在員事務所を新規開設

2021年11月8日、日本M&AセンターはASEAN地域5か国目の新拠点として、タイ王国駐在員事務所を開設しました。
(日本M&Aセンター IR情報:https://www.nihon-ma.co.jp/ir/pdf/211109_information.pdf
日系企業によるASEANへの進出は引き続き旺盛であり、M&Aによる新規進出・現地拡大はこれから大きな戦略の一つになっていくものと考えております。M&Aは一次情報を正確に収集できるかが重要だと考えています。タイに拠点を構えることによって精度の高い情報をお伝えできるように努めます。

実は弊社の海外M&Aはタイからスタート

日本M&Aセンターは2016年に初の海外拠点として、シンガポール拠点を開設しました。シンガポール拠点が開設される前の海外支援室では、日系企業の海外子会社に関連するM&Aのお手伝いをしておりました。一番最初の海外M&Aは、タイの製造業でした。
タイの長期滞在在留邦人数は世界4位(都市別ですと、バンコクはロサンゼルスに次ぐ2位です)で、日系の中小企業が多く進出しているため、日系企業のタイ子会社に関連するM&A案件を毎年2~3件程度お手伝いしております。

タイのM&Aマーケット

ここ数年のタイにおけるクロスボーダーM&Aは趣深いものがあります。タイのクロスボーダーM&Aは、Outバウンド(タイ企業が海外企業を買収)がInバウンド(海外企業がタイ企業を買収)金額を上回っています。2020年だと、Outバウンドが6,653百万USD、Inバウンドが4,028百万USDでした。
(出典:https://www.iflr.com/article/b1lmx69b15hbd0/mampa-report-2020-thailand

出典:レコフM&Aデータベースより日本M&Aセンター作成

https://www.marr.jp/recofdb.html

この状況は最近の日本と同様で、超大型(取得価格が約3,000億円以上)の案件が多いからだと思慮されます。タイは巨大なコングロマリット企業が経済を寡占しており、国内で稼いだ資金をもとに海外で巨大なM&Aを仕掛ける状況が続いています。

一方日本企業からタイへのM&Aですが、シンガポールやベトナムと比べ件数は半数程度です。公表ベースでは、譲受企業は上場会社がほとんどであり、大型案件が目立ちます。しかしながら私がタイ現地で情報収集をした印象としては、そのような大型案件ではなく、日本人オーナー経営者の後継者不在に伴う、未公表の中小M&A案件が多く散見されています。
また上記で述べたように、これまでは大型案件が中心であったため、中小企業M&Aアドバイザーの人材育成やノウハウは他国に比べると劣っている印象があります。そのような意味では、日本の中小M&A業界のように認知度・人材・ノウハウが増えることで一大マーケットになり得る可能性が大いにあります。

公表ベースと実態ベースでは異なるところが多くあるように見えますが、各国に拠点を設け人材を配置している日本M&Aセンターだからこそわかる、現地の本当の姿を今後こちらで共有していきます。
次回はタイのマクロ状況について書かせていただきます。お楽しみに。

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