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 2023年10月19日、日本を代表する投資家であるレオス・キャピタルワークス株式会社の代表取締役会長兼社長 CEO&CIO藤野英人様に登壇いただき、今後の日本企業への期待と可能性について講演頂きました。
 当日は上場企業の経営者様、経営企画のご担当の方を含む多くの方にご参加いただきました。ご参加をいただいた皆様、誠にありがとうございました。

 第一部は「『日経平均10万円時代』の企業経営と株式市場」と題し、国内だけでなく世界株式型投資信託の運用を行うレオス・キャピタルワークス藤野様より、世界の成長企業がどのような戦略で企業を発展させてきたのか。そして、日本企業への期待と可能性について解説いただきました。

 後半の第二部は藤野様に加え、日本M&Aセンター海外事業管掌の大槻、上場企業戦略の専門家である西川の3名より、成長企業がとるべき海外戦略・事業再編をテーマにパネルディスカッションを行いました。

世界的に注目されている日本株、経営者の意識が変わってきている

 第一部の藤野様の講演では、特に2023年に入り海外の機関投資家から注目されている日本の上場企業の変化について解説いただきました。2014年に公表された伊藤レポートから約10年が経ち、伊藤レポートでの指摘事項の効果が漢方薬のように現れてきたと藤野様はいいます。

 またコーポレートガバナンスや株主との対話など、日本企業においてポジティブな変化が起きてきており、経営者がのんびりしている時代は終わりを迎えているのではと話されていました。今までの経営者は社長になることがゴールであったが、最近は社長になってからがスタートであるとの意識が大手企業の経営者にも芽生えてきているとのことでした。
2020年10月19日にレオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長 CEO&CIO藤野英人様をお迎えして開催したセミナーで藤野様がご登壇されている様子
 さらに上場企している大企業のトップが交代し10歳程度若返るなどの目に見える変化もあり、海外機関投資家も日本企業を見直す機運が高まってきているとのことです。この先2024年問題をはじめとした人手不足や世界的なインフレが日本でも継続する可能性がある中で、いかに企業や経営者が変化することができるかが、素敵な未来を勝ち取るために非常に大事になると藤野様から解説いただきました。

投資家目線からみるM&A戦略、海外進出、事業再編のポイントとは

 第二部のパネルディスカッションでは藤野様に加え、日本M&Aセンターの海外事業、フィナンシャル事業(PEファンド、サーチファンド、VC)管掌の大槻、20年以上のM&Aアドバイザー経験を持つ上場企業戦略の専門家である西川を交え白熱した意見交換が行われました。

 まず話に出たのが事業再編についてでした。藤野様より一般的に投資家はカーブアウト(事業もしくはグループ企業の譲渡)にはポジティブに反応を示すと話されました。カーブアウトにより経営資源を有効活用することで更なる企業価値の向上に寄与するとのことでした。また西川からは、日本企業は全般的に買うことをメインに検討しており譲渡の検討には及び腰であるという話がでました。アメリカ企業は日本企業の約3倍の数のカーブアウトを実施しており、積極的に経営戦略としてカーブアウトを活用していると解説しました。
日本企業では、欧米と比べて経営効率が明らかに低い……

データの出所:経済産業省/第1回 事業再編研究会(2020年1月31日開催)「未来投資会議関連資料


 またM&A戦略について大槻より、ここまでM&Aが一般化した中でM&Aを行わないインパクトが大きくなってきている点、また新興市場であるASEANへの進出をM&Aを通じて行うことで成長市場の勢いを享受することができる点を説明いたしました。藤野様からはM&Aは目的ではなく手段であり、自社の戦略やパーパスからぶれずにM&Aの検討をしていくことがポイントであるとご説明いただきました。

成功するM&Aに欠かせないマインドセット

 第二部のパネルディスカッションの中では成功するM&Aを行うために大切なマインドセットについても言及されました。藤野様からはM&Aのお相手へのリスペクトの大切さについてM&A巧者である企業の実例を交えて解説いただきました。また西川はこれまでのアドバイザーとしての経験から、自社がどのようなスタンスで買収先を経営していくのかをしっかり検討できる企業がM&Aを成功に導いていると話しました。
オス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長 CEO&CIO藤野英人様をお迎えしたパネルディスカッションの様子
 パネルディスカッションの最後には大槻からはリスク許容度についての話がでました。M&Aは工業製品等における設備投資とは性質が異なり必ずリスクを伴うものであり、あらかじめ自社のリスク許容範囲を明確にすることが重要になる。その結果M&Aの検討プロセスを効率化することができ失敗しないM&Aの実行を行うことができると解説いたしました。

 90分にわたり貴重なご講演をいただきました藤野様、ありがとうございました。
またご参加いただいた皆様からは、「第一部、第二部とも非常に参考になりました。」「社長になるのはゴールではなくスタートだという話が自らにささりました。」「M&Aの検討において参考になる部分が非常に多かったです。」 といったお声をいただきました。

 日本M&Aセンターでは、M&A戦略、海外進出や事業再編に関するセミナーを今後も実施してまいります。また上場企業専門担当者や海外M&A専門担当者による無料個別相談を随時行っております。(オンライン/ご訪問/ご来社いずれでも可)
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