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 日本M&Aセンターが2019年に第2号の海外拠点として立ち上げた国が、インドネシアです。インドネシアは2021年のデータで人口2億7千万人(※)と、ASEAN諸国の中で最も人口の多い国です。莫大な人口を有する国という観点からもインドネシアというマーケットに関心を持たれている方も多くいらっしゃるのではと存じます。今回は2022年7月に出張してきた経験をもとに、インドネシアの入出国関連の手続きや実際に私の目で見てきた生のジャカルタについての記事とさせて頂きます。
※参考:外務省「ASEAN(東南アジア諸国連合)

渡航情報(2022年7月5日時点)

 本ブログを読んで頂いている方で、インドネシアでのビジネスや進出を検討されている方もいらっしゃるかと思います。まずはインドネシア出張に行かれる際にどのような手続きが必要なのか、実際の手続きがスムーズに進められるのかについて記載します。

インドネシアへの入国

 日本からインドネシアに入国する際には、以下3つの手続きが必要です。

  1. インドネシア政府指定アプリ「PeduliLindungi」(プドゥリリンドゥギ)のダウンロード
  2. 2回のワクチン接種証明書
  3. インドネシア空港での、VOA(Visa On Arrival)購入(IDR 500,000)

●インドネシア政府指定アプリ「PeduliLindungi」(プドゥリリンドゥギ)

 アプリ「PeduliLindungi」は、インドネシア国内で施設に入る際にQRコードをスキャンして、ワクチンを2回以上接種していることを証明するために使用します。

●2回のワクチン接種証明書

 ワクチン接種証明書については、「PeduliLindungi」アプリをダウンロードしたのち、インドネシア保健省の認証を受けアプリ内で読み込ませる必要があります。私が渡航する直前まではアプリと保健省の認証が切り離されておりアプリ外での申請が必要でしたが、現在はアプリの中での申請が可能となっております。
 ここで注意点ですが、ワクチン証明の認証まで時間が掛かるケースがあります。時間に余裕を持って申請することをお勧めします。実際に認証まで3週間強時間を要した例も見ております。ただ、このアプリでの認証が下りなければ入国、国内の移動ができないという訳ではないのでご安心ください。認証が下りない場合には接種証明書アプリの国外用証明画面と、念の為、紙での接種証明書を持っておけば問題ないようです。

●インドネシア空港での、VOA(Visa On Arrival) VISA購入

 「VOA VISA」とは、インドネシア入国時に現地の空港で購入するVISAです。「インドネシアルピアでしか支払いができないのでは?」と懸念される方もおられるかと思いますが、こちらは日本円、米ドルでの支払いもできますので、現金を持っていれば特段心配する必要は御座いません。ただし、クレジットカードでの決済はできないので、現金だけは準備しておきましょう。
※本ブログは2022年7月のインドネシア出張での体験をもとに執筆しています。渡航に関する最新情報は「外務省 海外安全ホームページ」等をご確認ください

日本出国時、インドネシア入国時の空港の様子

 まずは日本からの出国時の様子についてお伝えします。何よりも予想以上に搭乗する方の人数の多さに驚きました。今回はガルーダインドネシア航空を利用しました。下の1枚目の写真がチェックインカウンターの様子、2枚目が搭乗目の様子です。チェックインカウンターは“L”でしたが、その先の“N”のカウンターの近くまでチェックイン待ちの行列が続いておりました。搭乗口も非常に混みあっており、コロナ禍以前の休暇時期の国際線の様相でした。
 ここで1つおすすめポイントですが、可能であれば航空会社のスマホアプリで事前チェックインをお勧めします。事前チェックインを済ませておけば、「Drop Off Lane」を使い、長蛇の列に並ぶことなくスムーズにチェックインを済ませることが可能です。ぜひ事前チェックインをお勧めします。
成田空港での様子
インドネシア到着後の空港の様子
 続いて、下の写真はインドネシア到着後の様子です。先述した入国手続き関連については写真撮影禁止エリアでした。写真を使って臨場感を持ってお伝えしたいところですが、割愛させてください。到着してすぐに目に入る、南国感漂う看板で「東南アジアに来たな!」と実感します。(少し脱線していますが皆さんも思われるはずです)入国手続き関連自体は非常にスムーズにできますが、今回一番時間が掛かったのが預け荷物の受け取りです。特段問題があった訳では無いようですが、荷物が出てくるまでに30分は待ちました。そもそも搭乗人数も多いうえに荷物をいくつも持っている搭乗客も多かったようで、荷物の数自体が多かったと思われます。待ち合わせなどがある方は荷物受け取りの時間も考慮して時間調整されることをお勧めします。
南国ムードを感じるウエルカムボード
荷物を待つ搭乗客の様子

日本帰国前の手続きについて

 2022年9月7日からインドネシアから日本へ帰国する際のPCR検査が不要になりましたが、7月出張時の際に実施したPCR検査についてお話します。PCR検査ならどこでも良いという訳ではなく、「日本入国用陰性証明書」が必要となります。今回はジャカルタにある「きずなクリニック」という日系のクリニックでPCR検査を受けました。オンラインでの予約も可能で、クリニックでは日本語対応可ということで非常にやり取りが楽です。「What’sApp」という通話・メッセージアプリで、結果が出次第、証明書をメッセージで送ってもらえたのでその後の手続きも非常にスムーズでした。
 PCR検査で陰性証明を入手したら、「MySOS」での検疫事前審査を行ってください。これを行うことで日本入国時に、「ファストトラック」というルートで進むことができ非常にスムーズに空港での手続きが可能です。
※本ブログは2022年7月のインドネシア出張での体験をもとに執筆しています。渡航に関する最新情報は「外務省 海外安全ホームページ」等をご確認ください

※インドネシアでのビジネスにご興味をお持ちの方は、下記ページも併せてお楽しみください。
安丸良広(日本M&Aセンター インドネシア駐在員事務所長)の記事一覧

現地レポート(インドネシア)

 インドネシアでは2022年4月5日より入国時のPCR検査が不要となり、日本からの出張者と思われる方も多くいらっしゃいました。街中ではほとんどの方がマスクを着けている状況ですが、飲食店食事をとっている方も多く、経済活動が再開している様子が見受けられました。
 今回出張で行ったジャカルタの印象は、“物価が非常に高騰している”、“都心部の都会さ”の2点に尽きました。それぞれについて解説してみたいと思います。

物価の高騰

 まずは物価についてですが、スーパー等で買う日用品では物によっては日本で買うよりも高いものもあったほどです。ジャカルタがイスラム圏の都市だということもあり、ビールはスーパーで買っても250円程と、日本よりも高いように感じました。また、ジャカルタ中心部で食事をとると、日本と変わらず昼食で1,000円程かかります。もちろん地方や屋台で食べると安く抑えることはできますが、衛生面は他東南アジアよりも低水準とのことでおすすめはできません。古くから日系商社やメーカー、韓国系企業が進出していることもあり、街中では日本食や韓国焼肉を目にすることも多く、インドネシア料理以外の食事には困らない環境です。今までのイメージではインドネシアは開発途上国で、安かろう悪かろうで大量消費をしていくマーケットでしたが、実感としては高所得者層向けのビジネスにも可能性を感じました。
地元スーパーの菓子コーナー

高層ビルが立ち並ぶ都心と伸びしろを感じる郊外

続いて“都心部の都会さ"ですが、中心街に立ち並ぶ超高層ビル群や大通り沿いのオフィスビルや高級ホテルが目につきました。中には古くからある高層ビルも残っていますが、ジャカルタ中心地で次々と開発が進められているようで、新しいビルが建ち続け今後さらなる発展が期待できるような活気を感じたものです。ホテルからの朝焼けと夜のジャカルタ中心部の写真です。
インドネシアの朝焼け
ジャカルタ中心部のビル群
 一方で車を1時間ほど走らせると、これぞ東南アジアというような光景が広がっており、異国情緒を感じます。このような光景を見るとやはり都会化しているのはジャカルタの中心だけで、郊外はこれからまだまだ成長していくだろうという成長の可能性をさらに強く感じました。皆さんが気になる渋滞については、渡航前に想像していたほどの渋滞ではなく、車が止まって全然前に進まないというような状況は、それほど多くはなかったです。ただ、ジャカルタの道路には交差点がなく、右折ができないため、わざわざ遠回りをしなければいけない等、交通政策がうまくできていない点などが見受けられました。



ビジネスの「大きな夢」がある国

 今回のジャカルタ出張では、自分で想像していた以上に発展を遂げているジャカルタ都市部の姿と、ジャカルタ郊外のこれからドンドンと成長を遂げていくであろう2つの姿を肌で感じることができました。
 インドネシアは、面積、人口、天然資源、産業のポテンシャルを持った大国で、進出することでビッグマーケットを獲得できるという「大きな夢」にふさわしいポテンシャルの高さを感じさせます。そのようなことからインドネシアというマーケットに関心を持たれている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 日本M&Aセンターでは、インドネシアのみならず、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナムに拠点を構えております。現地駐在員、ローカルスタッフと綿密コミュニケーションを取りASEANビジネスの拡大に邁進しております。是非、ASEANにおけるM&Aをご検討の際は、お声がけのほどよろしくお願い致します。
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